自費診療の提案が「難しい」と感じる理由
歯科医院において、自費診療は医院経営を支える重要な要素です。しかし一方で、
- 「押し売りだと思われそうで言いづらい」
- 「費用の話になると空気が変わる」
- 「患者様に断られるのが怖い」
このような理由から、自費診療の提案に苦手意識を持つ歯科医師・スタッフは少なくありません。
実は、自費診療が受け入れられない原因の多くは価格そのものではなく、伝え方にあります。
大切なのは、「高い治療を勧めること」ではなく、患者様にとっての“価値”を分かりやすく伝えることです。
自費診療=売り込み、になってしまう落とし穴
自費診療の提案がうまくいかないケースには、共通点があります。
- 医院側のメリットを先に伝えてしまう
- いきなり費用の話から入ってしまう
- 患者様の希望を十分に聞かずに提案する
この状態では、患者様は
「自分のことを考えてくれていない」
「お金の話をされている」
と感じやすく、心理的なブレーキがかかってしまいます。
自然な提案の第一歩は「質問型歯科カウンセリング」
自費診療を自然に提案するために欠かせないのが、質問型歯科カウンセリングです。
質問型歯科カウンセリングでは、治療内容を説明する前に、まず患者様の考えや価値観を丁寧に引き出します。
質問例:
- 「今回の治療で、一番大切にしたいことは何でしょうか?」
- 「見た目と機能、どちらをより重視されますか?」
- 「将来的に、歯についてどんな不安がありますか?」
このプロセスを踏むことで、自費診療は「提案」ではなく、患者様の希望に沿った“選択肢”として提示できるようになります。
「価格」ではなく「価値」を伝えるという考え方
患者様が知りたいのは、
「いくらかかるか」だけではありません。
それ以上に重要なのが、
- どんなメリットがあるのか
- 保険診療と何が違うのか
- 自分にとって意味があるのか
という点です。
価値を伝える説明例
×「こちらは自費治療で、費用は◯万円です」
○「こちらの治療は、見た目が自然で、長期的に再治療のリスクを減らせる方法です」
まず価値を伝え、その後に費用を伝えることで、患者様の受け取り方は大きく変わります。
患者様目線での「価値」の具体例
患者様にとっての価値は、人それぞれ異なります。
- 忙しい方 →「通院回数が少なく済む」
- 見た目を重視する方 →「自然で美しい仕上がり」
- 将来を考える方 →「長持ちし、再治療が少ない」
- 不安が強い方 →「違和感やトラブルが起きにくい」
質問型歯科カウンセリングで得た情報をもとに、その患者様に合った価値を伝えることが重要です。
比較説明で「選べる安心感」をつくる
自費診療を提案する際は、保険診療との比較を分かりやすく行いましょう。
ポイントは、
- 優劣をつけすぎない
- 否定しない
- 事実として伝える
例:
「保険診療は費用を抑えられますが、耐久性や見た目に制限があります。一方、自費診療は費用はかかりますが、〇〇というメリットがあります」
このように説明することで、患者様は納得して選択できる状態になります。
スタッフ全員で同じ伝え方をする重要性
自費診療の提案は、歯科医師だけの役割ではありません。
- 歯科衛生士による日常会話
- 受付での説明やフォロー
- カウンセリング時の補足
医院全体で「価値を伝える姿勢」を共有することで、患者様の信頼感はさらに高まります。
自費診療が自然に受け入れられる医院の共通点
- 患者様の話をよく聞いている
- 選択肢を複数提示している
- 無理に決断を迫らない
- 「患者様のため」という軸が一貫している
こうした医院では、自費診療は「売り込まれるもの」ではなく、「自分で選ぶもの」になります。
まとめ:自費診療は「説明」ではなく「対話」
自費診療の提案は、話し方次第で
「売り込み」にも「信頼構築」にもなります。
質問型歯科カウンセリングを通じて患者様の価値観を理解し、
価格ではなく、その方にとっての価値を伝えること。
それができたとき、自費診療は自然に、そして前向きに受け入れられるようになります。
